川西市が直面する空き家増加の実態

川西市の空き家率は全国平均をわずかに下回っているものの上昇傾向にあり、今後さらなる増加が予想されます。

平成30年の調査では、川西市の空き家率は12.08%で、平成25年と比べて0.8ポイント上昇しています。空き家数は8,600戸に達し、5年間で350戸増加しました。

引用元：川西市の空き家の現状

加えてエリアごとの分布を見ると、市の北部から南部に向かうにつれて、空き家の数が増加する傾向が見受けられます。

引用元：川西市の空き家の現状

南部地域には古くからの住まいが存在し、長屋など老朽化した建物が目立つことが特徴です。建物の老朽化により居住者が減少し、空き家が増えています。

川西市南部で敷地が狭い、接道条件が不十分などの理由で不動産市場に流通しにくい物件が多い点も特徴的です。特に駅周辺では、再開発事業の対象外となった空き家が多く残っています。

空き家問題は単に住宅の数が減少するだけでなく、地域社会の衰退、都市景観の悪化、防災上の問題など、様々な側面から地域に影響を与えます。

川西市の空き家問題の主な原因

川西市の空き家問題が深刻になっている主な理由は、以下の3点です。

• 高齢化の進行
• 人口減少と世帯数の減少
• 管理不適切な空き家の存在

それぞれを紹介します。

高齢化の進行

川西市では昭和40年代に開発された「ふるさと団地」のような大規模団地を中心に、高齢化が急速に進んでいます。入居者の高齢化が進み、世代交代がスムーズに進まないことが空き家増加の一因です。

人口減少と世帯数の減少

市全体での人口減少が続いており、それに伴い住宅需要が減少しています。

引用元：市人口推計報告書

平成27年以降、住民基本台帳に基づく人口は年間約730人の緩やかな減少が見られます。

年齢別に見ると、0歳から14歳の年少人口と15歳から64歳の生産年齢人口は一貫して減少し、年少人口は2,613人、生産年齢人口は4,283人減少しました。

一方、65歳以上の老年人口は1,774人増加しています。急速に進む高齢化も、空き家として残される住宅が増える結果を招いています。

管理不適切な空き家の存在

一部の空き家では、適切な管理がなされておらず、雑草や樹木の繁茂、建物の老朽化などが見られます。建物の老朽化が進むと、倒壊のリスクが高まり、住民の安全が脅かされるリスクが高まります。

所有者不明や権利関係が複雑な空き家もあり、空き家問題を早期に解決することは困難です。

川西市で空き家を放置するリスク

川西市で空き家を放置することには様々なリスクがあります。

• 安全面でのリスク
• 衛生面・環境面へのリスク
• 治安の悪化のリスク
• 法的リスク
• 経済的リスク

それぞれを詳しく見ていきましょう。

安全面でのリスク

老朽化した空き家は、地震や風雨などにより倒壊する危険性が高まります。周辺住民や通行人に怪我や生命の危険をもたらす恐れもあるでしょう。

川西市内およびその周辺には多数の活断層が存在します。市の北部の山岳地帯はゆれにくい傾向がありますが、その他の地区ではゆれやすいと指摘されています。

加えて南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率は80%といわれており、川西市も大きな影響を受けると予測されてきました。

空き家を放置することで、安全面に大きな懸念が生じます。

衛生面・環境面へのリスク

管理されていない空き家は、雑草やゴミの散乱、外壁の汚れなどで地域の景観を損ねます。放置された空き家が増えることで周辺の景観を損ね、地域全体のイメージダウンにつながる可能性があります。

治安の悪化のリスク

放置された空き家は、犯罪者にとって格好の隠れ家となりかねません。空き巣や放火などの犯罪が増加し、地域全体の治安悪化を招く可能性があります。

特に長期間放置された空き家は、不法行為のターゲットとなりやすい点が全国的に問題視されています。

法的リスク

空き家対策特別措置法に基づき、適切に管理されていない空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。所有者は段階的な行政指導を受ける場合があり、最悪の場合には強制的な解体の措置が取られるケースも。

経済的リスク

特定空き家に指定されると固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税負担が大幅に増加する恐れがあります。特定空き家と指定されないためには修繕が必要であり、大きな費用がかかることもあるでしょう。

また、解体を選択した場合もその費用負担が生じます。所有者にとって、経済的な負担が重荷になりかねません。

川西市の空き家を放置することは、様々なリスクを伴います。

特定空き家に指定されるリスクを避け地域社会の安全と快適さを維持するためにも、空き家の適切な管理や活用を検討することが重要です。

川西市の空き家問題を解決するためには

川西市の空き家問題を解決するために所有者の方に向けて、具体的な解決策を紹介します。

適切な管理

まず、空き家の管理を怠らないことが重要です。定期的な点検や修繕を行い、建物の劣化を防ぎましょう。

例えば屋根や外壁の修理、草木の伐採などを行い、見た目をきれいに保つことで、不法侵入者を防ぐ効果が期待できます。

また、周囲に害虫や動物が寄り付かないようにするために、清掃を定期的に行うことも大切です。

遠方で管理が難しい場合は、川西市の空き家を管理する会社に依頼することもよいでしょう。

行政の支援策の活用

川西市では、空き家問題の解決を支援するため、様々な制度が設けられています。例えば川西市では住宅政策課で毎月第一木曜日に、空き家に関する無料相談会を実施しています。

予約制のため、市の支援を希望する場合はまずは相談してみることも一つです。

空き家の有効活用

つぎに空き家を売却または賃貸に出すことで、維持コストを削減できます。例えば、「空き家のチカラ」を利用する方法があります。

「空き家のチカラ」では改装費用や入居者募集、管理までを専門家が担当するため、所有者は資金面での心配なく空き家活用が可能です。空き家が収益を生み出す資産に変わり、経済的なメリットも感じられるでしょう。

売却や賃貸で悩んでいる方は、「空き家のチカラ」にぜひご相談ください。